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スプリット2 ゲームプレイプレビュー

パッチ14.10の変更点を簡単にご紹介します

Dev作者Riot Auberaun, Riot Zhanos, Scaz
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皆さん、こんにちは!サモナーズリフトチームのプロダクトリード、Riot Auberaunです。5月15日のパッチ14.10で導入されるスプリット2について、簡単にご紹介します!今年は、「リーグ・オブ・レジェンド(LoL)」で初となる3スプリット制のランクシーズンとなります。そこで、サモナーズリフトにおける私たちのスプリットへのアプローチや、スプリット2の新たな変更点について皆さんに知ってもらいたいと思います。

ゲームプレイにおけるスプリットの意味とは

LoLは適応力が求められるゲームです。私たちは新コンテンツを追加し、既存のチャンピオンやアイテムの調整を継続的に行う一方で、皆さんは私たちが想像もしなかったような新しい戦略を発明/発見します。プレイ方法の変化に適応するのは困難かもしれません。例えば、メインチャンピオンがバフやナーフを受けたり、マップに変更が実施されたり、自分のロールで違うチャンピオンが人気になったり、他のクラスのアイテムが変わったり…一般的に、自分の実力を証明するには、柔軟な適応力が重要です。常にトップであり続けるには、主力キャラクターの強さだけではなく、この柔軟性がカギになると私たちは考えています。常に進化を続けるLoLの性質は、ゲームがおよそ15年間発展を続けた重要な要素であり、プレイヤーが舞い戻ってきてくれる大きな理由の1つです。最初の試みでうまくいかないことはありますが、LoLができる限り最高のゲームとなるように、試みは常に続けています。

この精神のもと、各ランクスプリットでは、新しく興味深いゲームプレイを導入し、プレイヤーの皆さんが自分たちのゲームスキルを示すチャンスを提供したいと思っています。そういった点から、プレシーズンをスキップし、ランクスプリットが始まるパッチと同時に革新的な変化をゲームに導入することにしました。以前は、「ミッドシーズン」というコンセプトがあり、去年はADCアイテムのアップデート、一昨年は耐久力アップデートなどの変更が行われていました。今後は、各ランクスプリットでゲームプレイのアップデートをお届けすることをお約束します。各ランクスプリットやシーズンは毎回違う感触にし、プレイヤーの皆さんが新たなゲームプレイに挑戦できるようにすべきだというのが、私たちの信念です。アップデートごとに変更の対象は変わりますが、1年間のLoLのゲームプレイ変更計画は、今のところ以下の通りです。

  • シーズンスタート:ゲームプレイの大規模な変更(パッチ14.1のような変更)
  • スプリット2:ゲームプレイの中規模な変更(パッチ13.10のような変更)
  • スプリット3:ゲームプレイの小規模な変更(パッチ13.20のような変更)

私たちは、各スプリットがプレイヤーにとって有意義な体験となるよう努めています。そして、大規模なパッチをリリースするタイミングを統一することで、この目標を実現することができると考えています。

各スプリットがLoLプレイヤーの旅の中で独自の役割を果たし、これらの変更でLoLの未来が形作られていくことに、ワクワクしています。それでは、来たるパッチ14.10で何が導入されるのか、詳細を見ていきましょう!

ADCアイテムのアップデート

こんにちは、Simon “Riot Zhanos” LeBlanc Bastienです。こちらでは、ADCアイテムシステムの今後についてご紹介します!

なぜADCアイテムシステムなの?

ミシックアイテムというシステムを廃止した時、ミシックアイテムが入手源だったパワーを再配分するために、各クラスでアイテムを再調整する必要がありました。ですが、当時はADCアイテムシステムに必要だった大規模な変更を行う準備ができていなかったため、代わりにシーズン開始時に小規模な変更を加えて、クラスをそれなりの状態へと調整しました。残念ながら、この結果のアイテムシステムは最適ではないというフィードバックを、数パッチの間に皆さんからいただきました──調査によると、ADCプレイヤーは(他の全チャンピオンロール/クラスと比べて)アイテムシステムへの満足度が最低でした。

それから時間が経った今、ミシック廃止でADCにどのような影響があったか観察でき、ADCのパワースパイクで実現し損ねたものは何なのかより深く理解できるようになりました。この教訓を胸に、より良いADCアイテムシステム作成を行いましたので、詳細をご紹介します!

パッチ14.10:ADCアイテムシステムの変更

かつては強力なADアイテムがいくつも存在し、ADCが最初の購入では望ましいステータスを手に入れることができなかった時代…皆さんは覚えていますか?パワースパイクがより直線的だった当時、各アイテムは同じように重要で、アイテムの購入は強力に感じられました。

その世界こそ、私たちが戻りたいと考えている世界です!多くのシステムを完全に戻すわけではありませんが、多くのお馴染みのアイテムでステータスが変わります。主な変更点の一つとして、クリティカル率を上昇させるレジェンダリーアイテムは、上昇率が20%ではなく25%になります。これでビルドの柔軟性が増し、クリティカルベースのビルドをより素早く完成させやすくなるでしょう。さらに、アイテムは攻撃力、攻撃速度、クリティカル率の3つの攻撃スケーリングステータスのうち2つにのみ焦点を当てることになります。これにより、新しいレジェンダリーアイテムが完成するたびに、より大きなスパイクが生み出されることになります。

変更理由

この変更による最大の目標の1つは、より際立ったパワースパイクを作り出すことです。

ミシックシステムと、ミシック廃止後の最近のADCシステムでは、多くのアイテムで必要なステータスすべてが手に入り、ゲーム序盤と中盤にかけてのパワースパイクはスムーズでした。これは強力でしたが、その結果としてリードの意味が減り、アイテムスパイクの不均一さが目立ちました。「不均一」とは、最初に購入したアイテムがあまりに強すぎるため、2回目のアイテム購入を適切なレベルまで強力にできなかったことを意味します。同時に、ADCは強さの面で他のロールと比べ、最初のアイテムスパイクが十分強力ではありませんでした。今回、最初のアイテムスパイクをやや小さくしたことで、2つ目のアイテムをより強力に、その後の購入も同じように強力に感じられるような配分ができました。この変更での目標は、アイテムの組み合わせによって、チャンピオンが時間経過でゆっくりとビルドしていくよりも、大きなスパイクで本当に強化されたという感覚を生み出すことです。

「ファントム ダンサー」での変更を例に、この問題を詳しく見ていきましょう。現在の「ファントム ダンサー」は、攻撃力、攻撃速度、クリティカル率、移動速度の4つのステータスをカバーしており、戦闘中は最大65%まで攻撃速度を増加させる自動効果を持っています。しかし、新システムでは攻撃速度が即座に60%増加し、攻撃力の上昇や自動効果はなくなります。これによりアイテムはやや安くなり、移動速度がさらに増え、攻撃速度を大幅に増加するのに最善な策となり得ます。さらにそれだけでなく、戦闘中と非戦闘中の両方において機動力を高めるのにも役立ちます。

攻撃速度は近年、アイテム以外のシステムによる普及などの様々な理由から価値が少しずつ下がっていますが(ルーンの項目を参照)、私たちは攻撃速度を重視するクラスの重要性を踏まえ、このステータスの購入をより一般的にすることを目指しています。

他に注目しているステータスは、移動速度です。これまでは、ADCと優柔不断なプレイヤーだけが、(ブーツ以外だと)ジール系アイテムでアクセスできるステータスでした。当時からいろいろな変化があり、最近ではほぼすべてのクラスが、なんらかの方法で移動速度にアクセスできます。ADCの生存力は移動速度と結びついていて、戦闘の端での戦いだけでなく、迫り来る脅威から逃れるのにも重要です。

また、クリティカルを気にしないケースにも、いくつかの変更を行います!通常攻撃ビルドは、その役にふさわしくなるよう既存のアイテムを再調整して、通常攻撃系チャンピオンもワクワクできるような要素を用意してあります。「ルインドキング ブレード」、「クラーケン スレイヤー」、「テルミヌス」のようなアイテムはすべて、ステータスのラインとレシピが変更されていますので、ぜひパッチ14.10のノートでご確認ください。

削除

本アップデートの一環として、「キルヒアイス シャード」と「ストームレイザー」には別れを告げなくてはなりません。これはつまり、エネルギー充填系システムから、レジェンダリーアイテム限定機能へと移行するということです。「ボルテイク サイクロソード」と「ラピッド ファイアキャノン」は、ビルドパスの更新によって調整が行われますが、エネルギー充填効果はそのままです。「ストームレイザー」は、ヒット・アンド・ランの性質が多いチャンピオンにとって使い心地が良いものではなかったため、システムから再び姿を消します。代わりに新アイテム、魔法の石つぶてを浴びせる「斥候のスリングショット」や、クリティカルで出血確率を上げる「レイスハンターの矢」なども登場予定でので、お楽しみに。もし上記アイテムのファンだった方はごめんなさい。私たちは、新しいADCシステムが、すべてのプレイヤーにとって快適なものとなることを目標にして変更していますので…

ルーン

こんにちは、ルーン愛好家のAlex “scaz” Zです。本ミッドシーズンでルーンシステムに導入される大きな変化についてお伝えします。

パッチ14.10での最大の目標は、プレイヤーの満足度という面で機能していないルーンや、ゲームの健全性にとって有害なルーンを判断することでした。まずは、スプリット2で削除されるルーンから見ていきましょう。

削除

ルーンを評価するとき、焦点にするメイン項目の一つに、「ゲームの健全性への影響」というものがあります。例えば、「プレデター」のようなケースでは、「ミッドシンジドが様々なレーンを走ってクールダウンする」というようなゲームプレイのパターンが生まれます。このような不健全なパターンが生まれてしまうため、このルーンは長期間大幅に弱体化させていました。ですが誰にとっても楽しいものではなかったので、システムから削除するのに良い機会だと考えました。「プレデター」は長きにわたり、意図的に弱体化され、かつてのチャンピオンの大部分は他のルーンに移っているため、削除しても大きな影響はないと思われます。

これと真逆なのが「リーサルテンポ」で、現在多くプレイヤーが複数のレーンやクラスで使用しているキーストーンです。時間が経つにつれ、私たちは「リーサルテンポ」によってチャンピオンが攻撃速度の(アイテム)購入をショートカットでき、アイテムシステムの空間が乱されていることに気づきました。今回の削除で、十分な攻撃速度を手に入るのが遅れるだけでなく、攻撃速度をビルドする決断を、より意味があり、興味深いものにすることができます。これはADCシステムの変更における私たちの目標の一つです。さらに、ヤスオとヨネにも大いに役立ちます。今後は、クリックするだけでは勝てなくなり、成功するにはより賢いスキル使いが求められるようになります。

私たちは、現在「リーサルテンポ」を使っているチャンピオンを念頭においた上で廃止を計画しました。他のルーンにも変更を加えることで、彼らにもしっかりと対処しています。これらチャンピオンの大部分は、新たな「プレスアタック」、「フリートフットワーク」、「征服者」、「ヘイルブレード」のどれかに落ち着くでしょう。その上で、システムからはみ出してしまったチャンピオンをよく観察し、必要な場合は手助けをしていきます。

リワーク

不滅ツリーからの最初のリワーク候補は、「生命の泉」です!現在の「生命の泉」は、極めて限定的なルーンです。発動条件(スロウまたは移動不能)や効果条件(マークした敵に味方が通常攻撃)があり、さらにプレイヤーにとって満足がいくものではありませんでした(即時回復ではなく時間経過で回復)。

新バージョンの「生命の泉」は、次のようになる予定です。

  • 敵チャンピオンに行動妨害効果を付与すると、自身と近くにいる体力が最低の味方チャンピオンを回復する。

この変更を行う目的は、潜在的な使用ケースの幅を広げ、このルーンを使うチャンピオンにとってより満足のいく形で信頼性を向上させることでした(例えば、回復は時間経過ではなく即時にするなど)。自分と近くにいる味方の両方が回復するため、このルーンはデュオレーンやサポートチャンピオンで活用されるでしょう。メインで使うチャンピオン層は変わらないはずですが、不滅パスの中でもレーン戦フェーズを強化するような戦闘ルーンになるため、敵にスロウ効果を与えたり、行動不能にできるソロレーナーからも選ばれるような側面もあります。

リワークはこれだけではありませんが、一つのブログ記事に収まる分量ではないので、次の置き換えに進みましょう!

代替ルーン

先ほどお話ししたように、「リーサルテンポ」が栄華のキーストーンの枠を離れることになりました。そのため「プレスアタック」を、今あるようなバーストと追撃ダメージ増加のハイブリッドのルーンにして、他の栄華のキーストーンにもっと馴染むよう変更したいと考えました。ただし「リーサルテンポ」が消えて、代替ルーンを探しているチャンピオンにとって、よりスムーズに移行できるよう若干の変更を加えました。現在の「プレスアタック」は、バーストダメージと継戦能力の両方で恩恵を受ける奇妙な位置付けとなっています。ですが今回の変更で、このルーンはより継戦能力に集中させたいと考えました。

新バージョンの「プレスアタック」は以下のようになります。

  • 敵チャンピオンを3回連続で攻撃すると追加ダメージを与え、戦闘から離脱するまで自身のダメージが増幅する。

「プレスアタック」の元々人気だった要素である「3回攻撃をしてダメージバーストを獲得する」はそのままです。ですが1v1の状況では、その対象への追撃ダメージも増幅されたままとなります。この増幅は1体を対象としたデバフではなく、自分自身へのバフへとなります。そのため、このルーンは前衛から後衛にまで届く集団戦を繰り広げるようなチャンピオンや、対象を頻繁に切り替えるチャンピオンに向いているでしょう。ここでの主な目標は、チーム向けのデバフから特定の対象を目標とするデバフに焦点を移し、条件が満たされたら自己強化方面へと持っていくことでした。

次の置き換えは、栄華パスの継戦能力に関するルーン「オーバーヒール」です!「オーバーヒール」は、強力すぎると問題になりがちなルーンですが、強さが足りないと選択肢から完全に外されてしまうものでもあります。そのため、「オーバーヒール」は「そこまですごくないルーン」となっていました。今回のスプリットで削除し、「アブソーブライフ」と置き換えます。「アブソーブライフ」は継戦能力の新しいオプションで、栄華ツリーのチャンピオンに、試合中盤から終盤にレーンのミニオンやジャングルキャンプで回復できる能力を与え、レーン戦のサステイン力を上げることが目的です。

「アブソーブライフ」の効果は以下の通りです。

  • 対象をキルすると自身がわずかに回復する。

このルーンは序盤に回復量でレーンを圧倒して、孤立して膠着状態になるのを避けたかったので、意図的に継戦能力のスケーリングとして作りました。とはいえ、体力回復はレーン戦において意味のあるものです。しかし、このルーンが本領を発揮をできる場面は別にあり、小競り合いやオブジェクトを巡るポーク戦の後に体力をリセットできるという点です。

以上、スプリット2での2つの大きな変更点のまとめでした!これからやってくる新要素をお楽しみに!また、パッチノート14.10にも詳細を記載しますので、そちらの確認もお忘れなく。それでは、サモナーズリフトでお会いしましょう。スプリット2のランク戦でご武運を!

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